開催趣旨:遺跡の発掘は、いつの時代も私たちに新たな資料と知見を提供し、そこからまた新しい議論が始まる機会を生み出してきました。日本の貿易陶磁研究においても、遺跡の発掘成果が大きな役割を果たしてきたといえます。特に1970年代ごろから始まった列島規模の大開発時代の調査を契機に、全国各地で広汎に多数の遺跡が発掘されるようになりました。その結果、古代から近代までの長い時代にわたる地理的、歴史的な位置づけが異なる遺跡が発掘対象となり、陶磁器を出土する時代の遺跡の発掘件数も急激に増加していきました。
こうした調査、研究の過程で、多くの陶磁器分析の視点や方法、論点などが提示され、本研究会でのテーマとしたものもありました。今、その契機となった重要な遺跡の成果を再確認、検証し、その後、どのように展開したか。「あの遺跡」と「あの問題」を再び共有するとともに、今後の課題と展望を一緒に議論できれば有意義なことと考えます。
小野正敏(国立歴史民俗博物館) | 「趣旨説明 あの遺跡、再びの共有と展開(仮)」 |
八重樫 忠郎(元平泉町役場) | 「平泉遺跡群出土の貿易陶磁研究について」 |
コメント 水口由紀子(さきたま史跡の博物館) | |
田上 勇一郎(福岡市埋蔵文化財課) | 「鴻臚館・博多 〜古代・中世の国際貿易拠点〜」 |
コメント 荒木和憲(九州大学) | |
松吉 里永子(株式会社博通) | 「今小路西遺跡(御成小学校校内)の再検討」 |
コメント 田中大喜(国立歴史民俗博物館) | |
瀬戸哲也 (公益財団法人元興寺文化財研究所) | 「今帰仁グスクの発掘調査と琉球列島出土貿易陶磁研究」 |
コメント 池谷初恵(伊豆の国市教育委員会) | |
布施和洋(南部町教育委員会) | 「北の世界の貿易陶磁器-南部氏関連城館を中心に-」 |
コメント 工藤清泰(東北中世考古学会) | |
小野正敏(国立歴史民俗博物館) | 「戦国城下町一乗谷の陶磁器消費」 |
コメント 鈴木康之(県立広島大学) | |
續 伸一郎(堺市文化財課) | 「堺環濠都市遺跡出土の貿易陶磁(2)―「南蛮貿易」期を中心として―」 |
コメント 岡本 真(東京大学史料編纂所) | |
堀内秀樹(東京大学) | 「江戸遺跡出土貿易陶磁研究について」 |
コメント 赤松和佳(伊丹市都市活力部まち資源室文化振興課) | |