【1年延期】
貿易陶磁研究会第41回研究集会のご案内
「あの遺跡、再びの共有と展開―日本貿易陶磁研究会40年−(仮)」


※第41回研究集会は2021年9月19日(日)に下記テーマでオンラインで開催
「最近の話題の遺跡・注目される研究から」

開催趣旨

 遺跡の発掘は、いつの時代も私たちに新たな資料と知見を提供し、そこからまた新しい議論が始まる機会を生み出してきました。日本の貿易陶磁研究においても、遺跡の発掘成果が大きな役割を果たしてきたといえます。特に1970年代ごろから始まった列島規模の大開発時代の調査を契機に、全国各地で広汎に多数の遺跡が発掘されるようになりました。その結果、古代から近代までの長い時代にわたる地理的、歴史的な位置づけが異なる遺跡が発掘対象となり、陶磁器を出土する時代の遺跡の発掘件数も急激に増加していきました。
 この70年代から80年代の調査の過程で、現在につながる貿易陶磁研究の枠組みが形成されてきたともいえます。本研究会もこうした状況をうけて発足したことはご存知のとおりです。この時期の日本列島の遺跡発掘を陶磁器に関わる視点からみると次のように概括できるでしょう。

1)多様なジャンル、社会的階層の遺跡が汎日本的に発掘された。主となる消費地遺跡のみならず、港湾や街道に展開した宿などの流通拠点となる遺跡もふくまれ、その後も増加していった。

2)消費地では海外からの貿易陶磁とともに列島各地で生産された多様な商品が流通して機能を補完する。陶磁器機能全体のなかに位置付けた、消費地遺跡ならではの貿易陶磁研究が展開した。

3)都市や城館などの大規模な遺跡の発掘の進展により、遺跡ごとの陶磁器資料数が増大し、分析データとしての確からしさが担保されるようになった。

4)遺跡、遺構論と関連づけた陶磁器の理解が進められたとともに、消費地を軸にした年代観、編年が整備された。

 こうした調査、研究の過程で、多くの陶磁器分析の視点や方法、論点などが提示され、本研究会でのテーマとしたものもありました。今、その契機となった重要な遺跡の成果を再確認、検証し、その後、どのように展開したか。「あの遺跡」と「あの問題」を再び共有するとともに、今後の課題と展望を一緒に議論できれば有意義なことと考えます。